重心から見るゴルフクラブの特性と効果② ~重心深度/重心角~
皆さんこんにちは。管理人のQuattroです。
今回は重心シリーズ第二弾、「重心深度/重心角」について扱っていきたいと思います~。
前回の「重心距離」についての記事を読んでない方はそちらもぜひ併せて読んでみてください。
(重心から見るゴルフクラブの特性と効果① ~重心距離~)
現代のクラブを扱う上では非常に大事な重心スペックになりますので、写真を多く交えながら、なるべくビジュアル的にわかりやすく説明していきたいと思います~
重心深度・重心角の定義
まずはそれぞれの定義から確認しましょう。
重心深度:リーディングエッジからソールの重心点までの距離
重心角:シャフトをフリーにしてヘッドを宙に垂らした際にフェースが上を向く角度
前回の記事で触れた「重心距離」はフェース面上の重心点とシャフト軸線上の距離でしたが、重心点というのは実際はヘッドの内部にあるわけです。
その内部にある度合いを示したものが、重心深度や重心角ということになります。
重心深度・重心角の効果
重心距離を一定とすれば、重心深度が深くなればなるほど重心角は大きくなり、一般的には以下の2つの効果が得られます。
①打ち出しが高くなる(インパクトロフトが増える)
②捕まりがよくなる(フェースがクローズ方向に動きやすい)
ここまでは雑誌などでよく言われる話ですし、ギア好きの皆様には釈迦に説法かと思います。
問題は「なぜそうなるのか」ということですよね。このポイントは実は「遠心力と重心」にあります。
物理学上、遠心力がかかるとヘッドの重心点は遠心力の先端に移動しようとします。
つまりシャフトに正しく遠心力をかけると、上の写真のようにシャフト軸線上より右側にあった重心点が
このように移動してきます。重心点の移動によって、フェースはクローズ方向、そしてロフトアップの方向に動くというわけです。
もちろん重心深度が深くなればなるほど(重心角が大きくなればなるほど)、この重心点の移動距離が長くなり、それに伴うフェースの動きも大きくなります。
このようなことから、「重心深度が深いクラブ=捕まりのいいクラブ・球の上がりやすいクラブ」という構図が成り立ってくるのです。
正しく使えなければ意味がない
以上のことはグリップを支点にクラブを正しく円運動させることによって初めて得られる効果です。裏を返せば、円運動ができてない(遠心力が正しくかけられない)場合は重心深度と重心角がもたらす効果を十分に得ることができないということになります。
代表的なエラーの例でいうと、上の動画のようなグリップを飛球線方向に引っ張ってしまうミスです。
これをやってしまうと、重心はシャフトの移動方向の後ろに来てしまい、フェースは開く方向に動いてしまいます。
もちろん重心深度が深ければこのエラーが出てもフェースが開く度合いが少なくはなるのですが、このスイングではフェースを無理やりローテーションさせてスクエアに戻す必要が出てきてしまうのです。
近年、ヘッドが大型化して重心距離も重心深度も昔のクラブより格段に長くなっています。「ヘッドをスクエアに戻しにくい」という話もありますが、正しくシャフトに遠心力をかけられればこの重心深度はボールを捕まえるお助け機能となってくれるハズです。
スイング理論というものはクラブの進化に伴って進化していくものでありますので、大型ヘッドの重心深度を活かすスイングを身に付けることが、スライスにお悩みの方には最適な処方箋なのかもしれませんね。
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