【データ比較】セットの50度と単品の50度、どっちがいいの!?(前編 ~フルショット比較~)
こんにちは。管理人のQuattroです。
本日はウェッジのお話をしたいと思います。
昨今、単品ウェッジ3本体制を採用するプロが増えてきており、アマチュアへもその影響は確実に広がってきているなと、いろんな方のバッグを覗くたびに思う次第でございます。
今までPWの下が52°・58°だったのを50°・54°・58°にしたり、PWと52°の間に48°を入れてみたりと、みなさん様々な工夫をされていますよね。
そもそもですが、なぜウェッジ3本体制が推奨されはじめてきたかと言うと、理由はひとえにアイアンのストロングロフト化にあります。
古くをたどれば昔のPWのロフトは50°ほど。
そこからアイアンのロフトが立ってくるにつれて、PWのロフトも48°、47°とストロング化。そこでサンドウェッジとのロフト差を埋めるために現在のアプローチウェッジ(ギャップウェッジ)にあたるP/Sをジャンボさんが開発したというのは有名な話ですよね(ちなみに、かのタイガーウッズのPWはいまだに50°あるとかないとか…)。
時を経ることにアイアンのストロングロフト化はさらに進み、PWのロフトは超飛び系を除けば43~46°ぐらいが一般的になってきました。
昔のロフトから考えると、1~2番手分ぐらい立ってきていることに加え、テクノロジーの進化により、現代のアイアンはロフト以上に飛距離を出しやすいクラブになってきています。
そこで飛距離の階段を適正にするため、50°前後の新たなギャップウェッジの必要性が出てきたというわけです。
単品の50度 or セットの50度
前置きが長くなりましたが、ここからが本題です。
ここで50°のウェッジをバッグに入れると考えたとき、第一に選択肢に上がるのがその下の52°や58°と同一ブランドの単品ウェッジを追加するというもの。
PGAツアーの選手なんかはほとんどこのパターンですね。
そしてもう一つの選択肢がアイアンセットの50°前後のクラブを追加するというもの。上述したアイアンロフトのストロング化によってロフトピッチの階段が開き気味になってきていることはもちろんメーカー側も認識しており、PWの下の”AW”という番手名で「セットの50°(前後)」を追加購入できるケースが多くなっています。
さて、ここで「我々アマチュアはどちらの選択肢を選ぶのがベターなのか」という問題が出てきます。
言わずもがな、どちらの選択肢にも長所・短所があります。
それらを把握したうえで、自分のプレースタイルの助けとなってくれるのはどちらなのかを判断しなくてはいけません。
ここからは50°で打ちそうなシチュエーション(距離)を両方のクラブで打ってみたデータを比較し、その長所・短所を明らかにしていきたいと思います!!
思ったよりも長編になってしまったので、前後編の2つにわけてお送り致します。
(前編ではフルショットの比較、後編ではアプローチショットの比較と全体的な総括を行っていきます)
フルショット比較
今回比較に使ったクラブはこの2本
EPONのAF-505 AWとCleveland(クリーブランド)のRTX 4、いずれもロフト角はもちろん50度となっております。
なるべくヘッド単体での比較ができるよう、シャフトも同じ日本シャフトのModus 3 TOUR 120のフレックスSが刺さっているモデルをチョイスしてみました。
データ比較①(平均値比較)
AF-505 | RTX 4 | 差異(AF-505-RTX4) | |
キャリー(yd) | 107.2 | 97.8 | 9.4 |
初速(m/s) | 40.8 | 37.9 | 2.8 |
スピン量(rpm) | 9047 | 9382 | -335 |
打出角(度) | 29.1 | 28.6 | 0.6 |
最高到達点(yd) | 29.7 | 25 | 4.7 |
上記の表はフルショット8球の計測データを平均し、その差異を比較したものです。
やはり目に付くのはキャリーの差でしょうか。
約10ヤード、番手にすると約一番手分の飛距離差が出ていることになります。
この差異の主な要因となっているものは、データからもわかる通りボール初速の差ですね。
他にも若干ですが、AF-505のほうがスピン量が少なく打出角が高い、つまり「高打ち出し、低スピン」の状況を作っていることがトータルとしてキャリーの飛距離を伸ばしていると考えられます。
AF-505はポケットキャビティ型のアイアンですので、マッスルバック型のRTX4に比べて重心位置が低く・深く作られていることが、この結果を生む要因であることは間違いないでしょう。
データ比較②(最大・最小比較)
上記のデータはそれぞれのクラブで8球ずつ打った計測値の平均を比較したものでしたが、続いてその8球のなかの最大値と最小値にどれだけ開きがあるのかを以下の表にまとめてみました。
【AF-505】
最大値 | 最小値 | 差異 | |
キャリー(yd) | 113.2 | 100.4 | 12.8 |
初速(m/s) | 42 | 39.2 | 2.8 |
スピン量(rpm) | 9483 | 8588 | 895 |
打出角(度) | 34.3 | 24.9 | 9.4 |
最高到達点(yd) | 35.3 | 26.7 | 8.7 |
【RTX 4】
最大値 | 最小値 | 差異 | |
キャリー(yd) | 104.9 | 87.5 | 17.4 |
初速(m/s) | 39.3 | 36.9 | 2.4 |
スピン量(rpm) | 11248 | 8551 | 2697 |
打出角(度) | 38.3 | 24.5 | 13.8 |
最高到達点(yd) | 34.3 | 20.3 | 14 |
初速以外、すべての項目においてAF-505のほうが最大値と最小値の差が小さいという結果になっており、この結果はつまり「AF-505のほうが安定感が高い(ブレが小さい)」ということを示しています。
特にスピン量のブレは圧倒的にRTX 4のほうが大きい。
ここまでスピン量のブレがあるとフルショット時の風の影響の受け方にも大きく影響し、距離の計算が立てづらくなります。
50度前後のクラブで打つ距離は、一般男性ですとおよそ100ヤード前後。この100ヤード前後というのはできればしっかりとグリーンに乗せておきたい距離でありますので、ここの計算が立ちづらいというのはゴルフをより難しいものにしてしまう可能性があります。
考察(まとめ)
上記のデータを簡単にまとめると、「セットの50度(AW)のほうが簡単に飛んで、かつ安定感も高い」ということで、フルショットにおいては完全にAF-505、つまりセットの50度に完全に軍配が上がるかなといったところです。
もちろん、あくまでも打点やクラブの入射角がバラつきがちなアマチュアゴルファー代表の筆者が打った結果であることは改めて申し添えておきます(笑)
さて前編はここまで!
後編ではアプローチショットの比較と全体的な総括を行っていきますので、引き続き下記のリンクからご覧頂ければ幸いです~
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